気持ちいい関係。

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00.なにがどうしてこうなった!?


新連載開始です。
よろしくお願いいたします。



栗林杏くりばやしあんずは窮地に追い込まれている。
走って走って走りまくって逃走したのだが路地裏に追い込まれ、たどり着いた先は行き止まりだった。
絶体絶命のピンチにひぃと声をあげる。
小柄な身長にふわりとした茶色のロングヘアー。
ぱっちりとした目に小さくふっくらとした唇。
胸は小さめのBカップ。
体つきはどちらかといえば幼児体型。
どこからどう見ても幼い姿は高校に入学したあたりからコンプレックスになっている。
びしっとスーツを着こなしてもどことなく人形ドール感が漂う。
アンティークをコレクションにしている人間コレクターなら杏を手にしたがるだろう。
ふんわりとした優しげな外見とは裏腹に性格はキツい。
はっきりと物事を言うし、容赦がないのだ。
そのギャップに惹かれる人も多い。
さらに言うなれば、清楚な感じとはまったく正反対で、中身は、男大好き!エッチ大好き!の肉食である。
そんな杏の初体験は高校一年の夏。
好奇心旺盛だった杏は当時人気だった先輩に恋をし結ばれた。
どこにでもあるような恋物語だ。
だが、普通で終わらないのが杏である。
夏のあいだ、暇さえあれば先輩と体を重ねてセックスをしていたのだ。
最初の数回は痛みが伴い気持ちいいとは思わなかったのだが、だんだんと気持ちよさに目覚め、気づけば相手がドン引きするほどセックスにのめり込んでいた。
結局、杏の恋はひと夏で終わってしまったのだが、セックスの気持ちよさに目覚めた杏は止まることを知らなかった。
疼く体を収めるために、上はおじさまから下は同じ年の男の子まで、食い散らかしたのである。
もちろん、成績優秀、品行方正な杏はそんな実態を誰にも知られることなく高校生活を送ったのだ。
のちに大学で湊はるかという大親友に巡り合い、バレることになるのだがそれはまた別の話である。
そんなわけで性に奔放な杏は社会人になった今でも常にカレシ恋人を三人確保しセックスを楽しんでいたのだ。

「なんでこうなるのよおおお!」

そう。
世の中そんなに甘くはない。
杏はすれ違えば振り返らずにはいられないほどのイケメンに捕獲されて担がれているのである。
三人いたカレシ恋人も今や一人のみ。
その一人さえも除外して杏を独り占めにしようとしているこの男はどこまでもキレ者だ。
杏が逃げられるわけもない。
それなのに逃走をしようとする杏ににっこりと笑った。

「言うことを聞かないと監禁しますよ?」
「ひぃぃぃ!」
「ほかの男に目移りしないように一生繋がっていますか?セックス、好きでしょう?」
「いやあああ!」

くすくすと笑った男は杏を抱えたまま、タクシーの乗り込み杏のワンルームマンションへと向かった。
杏は気づいてはいなかったが男の顔には悪魔のような笑みが浮かぶ。

「私のくぅに二度と手出ししないように見せつけましょうか」
「え?え!?何か言った?!」
「いいえ。なにも」

くすくすと笑う男に杏は顔を引きつらせた。

 
プロローグ。
くーちゃんがいろいろ悪い。

2014/05/12 投稿。


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