気持ちいい関係。

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04.くーちゃんの異変。


書き下ろし。
くーちゃんがほかの男性と絡みます。
要注意。



ふんふんと鼻歌を歌う勢いで上機嫌な杏は軽快にキーボードを叩いていく。
頼まれた資料は厄介なものばかりだが今の杏には軽いものだった。
極上品を食べられた喜びと満たされた体は気持ちさえも軽くする。
仕事にやる気の出た杏は三日ほど残業をせずに定時で仕事を切り上げた。
体が満たされるとやる気にも直結する。
単純だといえば単純だが大切なことだ。
濃厚なあの日より四日後、杏のスマホにカレシ恋人の一人から連絡が入った。
今いるカレシ恋人は一人きり。
一人きりではつまらない。
週末の合コンでいい男捕まえなきゃ、と考えていた矢先のできごとだ。

「今日、会わないか、かぁ。うん。あの日からしてないしね〜。いいよっと」

返事を返すとすぐに返事が返ってきていつも行くカフェへ向かった。
彼との待ち合わせは必ずといっていいほどずっとそこなのだ。
杏の中にもルールがあって一度セックスをすると二、三日は時間を空ける。
互いに割り切った関係ではあるが、杏は彼らのことが好きだ。
好きだからこそ体は万全にしておきたい。
杏はセックスで体に痕を残すことを許さない。
誰かの所有物になるつもりもなければするつもりもないからだ。
それなのに先日の祐哉とのセックスで気を失っているあいだに痕をつけられてしまい、内心舌打ちする。
消えるのに三日かかったがそれもいい思い出だ。
足取り軽くカフェに向かうと杏一番のお気に入りが杏を見つけて軽く手を振った。
少し長めの前髪に白い肌、笑った顔が幼くて可愛い系のカレシ恋人だ。
一番長く杏と付き合っている人でもある。
がっつり夕食を摂ると手を取り合ってラブホテルへと向かう。
何度も抱き合った関係だ。
恥じらうこともなく服を脱ぎ捨てると抱き合ったままバスルームへ直行する。

「ああん」
「くぅの体、気持ちいい」
「あん。もっと、触ってぇ」
「いいよ。触ってあげる」

ボディーソープを泡立てると手のひらに泡を乗せて杏の体を撫でるように触れていく。
小ぶりの胸を揉むように洗い、足のあいだも入念に手を這わせる。

「あ、んっ。そこっ。いいっ」
「くぅはここ触られるの好きだね」

ぷくりと膨れた蕾を指先で転がされて杏は悶える。
互いに体に触れ合い満足するとシャワーで泡を流して濡れたままの姿でベッドにダイブした。
杏が上に乗ってそそり立つものに口を寄せて吸い上げる。
飲み込みきれなかった場所に手を這わせて扱くとくっと呻く声が聞こえた。
ちらりと上目遣いで見つめながらちろちろと先端部分を舐めるととろりとしたものが溢れちゅっと吸いつく。

「くぅっ!もうっ」
「ん。いいよぉ」

杏はにっこりと笑うとそそり立つものに避妊具を被せてちゅっとキスをする。
祐哉のときはあまりの気持ちよさで中出しをねだってしまったが普段は中出しなど絶対に許さない。
ゆっくりと中に沈めるとああんと喘ぐ。

「今日もキツいっ」
「んんっ」

あれ?と思いながら杏はゆるりと腰を動かすのだが気持ちよさが足りない。
気持ちいいには気持ちいいのだがなかなか爆発するような快楽が襲ってこないのだ。
中はちゃんと相手を締めつけている。
それなのにものすごく物足りないのだ。
首をかしげながら気持ちいいところに何度腰を擦りつけてもイケない。
これはまずい。
そう思った杏は生まれて初めて演技というものをした。
イケていないのにイったふりをしたのだ。
今までイケなかったことがない杏は中から萎えたものを取り出すとあんと呟いてベッドの上にぺたりと座り込んだ。

「くぅ?」

心配そうに覗いてくる彼に杏は笑みを浮かべた。
平気だと嘘をついていつもどおり身支度を整えるとくすぶる体を持て余して杏は帰途へとつく。
自宅に帰ってから杏は無意識にベッドの上で足を広げて中に指を差し込んで自慰をする。

「んっ」

親指を蕾に押し当てて刺激をしてもなかなかイクことができないのだ。
どうしよう、そう思ったときに目の前にちらついたのはあの日のこと。
今までのセックスの中で一番気持ちよかったあの日のことを思い出しながら指を動かすとあっという間に杏は果てた。

「はぁん」

体をベッドに投げ出すととろりと蜜が足のあいだから流れ出した。
程よい心地よさに杏は目を閉じる。

「まさか、ね」

杏は嫌な予感に目を瞑って頭を振った。
たまたま偶然だと言い聞かせて杏は眠りに落ちる。
その嫌な予感が的中するまであと少し。

 
あーあ。

2014/05/13 投稿。


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