気持ちいい関係。

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08.くーちゃん、祐哉に喰われる。


くーちゃんと書いて肉食女子と読む。
美味しい関係。過去拍手小話NO.06くーの受難より。
再録です。
一部内容は変わっています。



あと少しで駅というところで杏はまたもにっこりと笑った祐哉に腕を掴まれて捕獲されてしまった。
祐哉が放つ雰囲気に圧倒されて杏は逃げ腰になる。

「くぅ?逃しませんよ?」
「きゃああああああ!」
「くぅは私だけ食べていればいい。極上品以外知らなくていいんです」
「やだやだやだあああああ!」

よっこいしょと祐哉の肩に担がれると杏はじたばたと盛大に暴れた。
このままでは極上品祐哉に骨の髄まで食われてしまう。
スタスタと歩きながら祐哉は杏に問うた。

「何がそんなに嫌なんです?」

あーうーと可愛く唸っている杏の腰から足をひと撫でする。
スカートからすらりと伸びた足は祐哉の目の毒だ。
ああんと喘ぐ杏にどくりと雄が震える。
蜜が溢れているのか祐哉の鼻を甘い香りがくすぐり吸い寄せられた。

「ひゃああ!せ、セクハラ!」
「セクハラではありませんよ」
「え、えええ、エッチ!」

往生際悪くじたばたと暴れる杏のスカートの中に手を入れると杏の動きがぴたりと止まった。
なでなでとショーツのクロッチを撫でると祐哉はふふと笑みを零す。
湿ったそこは祐哉を受け入れる準備が整っているのだ。

「エッチとは心外な。何が嫌なのか教えてください。くぅ?」
「だってえええ!このままじゃ、しゃちょーさん以外の男の子食べられないーーー!」
「は?」
「このあいだ、お気に入りくんとエッチしたら気持ちよくなかったのおおお」

『お気に入り』という言葉に祐哉はぴくりと反応をした。
何人いるかはわからないがその『お気に入り』に嫉妬する。
この二週間、祐哉が必死になって杏を探している間に、杏はやはりことに及んでいたのだ。
これは仕置が必要。
どす黒い笑みを浮かべていると杏がうあああんと泣いた。

「このままだとしゃちょーさん以外食べられなくなっちゃううう」

杏の言葉にはたと祐哉は気づく。
祐哉以外食べられなくなるというのならそうしてしまえばいいのだ。
善は急げとばかりに目についたラブホテルに祐哉は飛び込む。

「え!?ちょっと!!」
「なんでしょう?」
「やだやだやだーーー!ここ!」
「ええ。大人の愛の巣です」
「恥ずかしいこと言わないでよおおおお」
「叫んでいるあなたも相当恥ずかしいですよ?」
「やだあああああああ」
「私以外食べられない体にしてあげますね」

にっこりと笑って凶悪なことを言った祐哉に杏はひくりと顔を引きつらせた。
ベッドの上にぽーんと投げ出された杏は激しく後悔をすることになる。
もしかして、とんでもなくヤバいのを引っかけてしまったのではないかと。
柔和な顔の下に隠されたどす黒さ。
きらりと光る獣の気配。
緩めたネクタイを引き抜く姿に見惚れているとがっちりと体をホールドされて杏は押さえ込まれたのだ。

「さぁ。くぅ。楽しい時間の始まりです」
「た、楽しくない!楽しくないいいいい」
「セックス。好きなんでしょう?」
「そ、それとこれはべ、ひゃあああ、んぐっぅぅぅぅ!」

喰らいつくように杏の口を貪ると祐哉は杏の体に沈み込んでいった。
ずたぼろになるまで抱き潰された杏は祐哉が気持ちよさそうに眠っている間に震える足を叱咤して逃走したのだ。

「ああーーーんっ!はるか助けてえええええ」

肉食と肉食がぶつかった場合、優位に立つのは祐哉キングだ。
杏に勝ち目はない。
ひーーーんと泣き声をあげると杏はタクシーに乗って自宅へと逃げ帰ったのだった。

 
王様、小悪魔さんを骨までしゃぶる。
これにて再録は終了。
次話以降完全書き下ろし。

2014/05/14 投稿。


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