気持ちいい関係。

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10.くーちゃん、祐哉に再び追いかけられる。


祐哉が杏を捕獲してから三週間。
そのあいだに杏の大親友であるはるかが危ない目にあっていたりといろいろあったが今のところ平穏無事に日々が過ぎている。
金曜の夜から祐哉に捕獲されてホテルに連れ込まれること二回。
毎週毎週祐哉に抱かれて快楽に落とされた杏はお腹いっぱいである。
先週は生理と重なったためにセックスは免除されたがあれやこれやと奉仕させられたのは言うまでもない。
嫌だ嫌だと言いつつも祐哉に触れられるとその気になってしまう自身の体を呪いたくなる。
気持ちよくなると何もかもがどうでもよくなるのだ。
はぁとため息をつきながらコンビニで買ってきたパンを食べていると杏のスマホにカレシ恋人からメールが入った。

「ん?今日、久しぶりにどう?あー。最近しゃちょーさんばっかりだったからなぁ。バレなきゃいいよねー。ちょっとくらいいいよねー」

極上品ばかり食べているとたまに恋しくなるのだ。
平凡というものが。
えへっと笑うと杏はスマホをタップしてメールを返した。
上機嫌で仕事を終わらせると少しだけ化粧を華やかにして会社を出る。
出た先で待ち構えていたのは相変わらずの人だ。
にっこりと笑って杏を待ち構えている。
くるりと身を翻すと杏は駆け出した。
毎度お馴染みの追いかけっこが始まるわけなのだが、捕まることが前提なら逃げなければいいのにと第三者が見ているなら言うことだろう。
捕まるとわかっていても逃げたくなるのが杏だ。
ものすごい勢いで街中を走っていくと杏は横道にそれて路地裏へと逃げていく。
結局は行き止まりで追い詰められ悔しい思いをするのだ。

「さて、鬼ごっこはもう終わりですか?くぅ」

そう祐哉が言うと杏は地団駄を踏んで悔しそうにしている。
闇の迫る空に向かって、もーーー!と叫ぶとはぁと脱力した。
最初から逃げ回らなければ無駄な体力を消耗しなくてもいいのにと祐哉も思う。
壁に杏の手を縫いつけると祐哉は杏の姿を見て目を細める。

「やけにおしゃれをしていらっしゃいますね?」
「だ、だったらなにっ?」
「なにかお約束でも?」

いつまでも口を割らない杏に祐哉は強硬手段に出る。
路地裏とはいえ、いつ人が来るかもわからないところで祐哉は杏を啼かせたのだ。

「やぁんっ」
「興奮してますか?」
「あっ、ぁ!」

杏の中を指で掻き乱すと杏は唇を噛んで声を押さえる。
弱いところを擦られて快楽に溺れる寸前だ。

「しゃ、ちょ、さんっ!」
「はい?」
「もっとぉっ」
「外でこんなことをされて善がるなんていけない子ですね」
「ぁん!お、ねが、いっ!イカ、せてぇぇぇぇっ」
「仕方のない人ですね」

祐哉はくすくすと笑うとスラックスの前をくつろがせて自身を取り出すと蜜で溢れている杏の中に突き立てた。
声が漏れぬように口づけて軽く腰を揺すると杏はあっという間に嬌声をあげて果てる。

「んんんぅっ」

とろんとした目で祐哉を見上げるとはぁはぁと息をついて腰を揺らめかせ始めた。
欲に溺れた杏をぎゅっと抱き締めると祐哉は自身を引き抜いて杏の身支度を軽く整える。
不満そうに擦りついてくる杏に祐哉は苦笑いだ。

「あとでたくさん可愛がってあげます。もう少し我慢なさい」

ちゅうっと杏の目元にキスをすると杏はこくんと頷いて祐哉に倒れ込んだ。
杏を担ぎあげるとすたすたと来た道を引き返す。
その間に杏も復活し、じたばたと暴れ出した。

「なんでこうなるのよおおお!」
「言うことを聞かないと監禁しますよ?」
「ひぃぃぃ!」
「ほかの男に目移りしないように一生繋がっていますか?セックス、好きでしょう?」
「いやあああ!」

くすくすと笑った祐哉は杏を抱えたまま、タクシーの乗り込み、杏のワンルームマンションへと向かった。
長い手足を組んで悠然と構えている祐哉を杏はキッと睨みつける。

「どうしました?」
「しゃちょーさんのえっち」

ぼそりと呟いた言葉に祐哉は苦笑する。
もじもじとしている杏が我慢できるわけがないのだ。
欲望に忠実に生きていることを祐哉は身に染みて知っている。

「私のくぅに二度と手出ししないように見せつけましょうか」
「え?え!?何か言った?!」
「いいえ。なにも」

にっこりと笑うと祐哉は杏の頭を撫でてその感触を楽しんだ。

 
こっそりなんて無理無理。
バレなきゃいいというのはしゃちょーさんには通じない。

2014/05/14 投稿。


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