気持ちいい関係。

 next top


ex14.ね、ちゅう、しよう?


過去拍手小話。
初出:2014/10/12

Twitterで「熱中症をゆっくり言いなさい」というハッシュタグがあったので。



祐哉は久しぶりの休日を自宅のソファでくつろいでいた。
買うだけ買って積み上げていた本を読みふけている。
杏はそんな祐哉にもたれて手持ち無沙汰にスマホをいじっていた。
なにをするでもなく適当にサイトを巡っているととある文字を発見してにんまりと笑う。

「ねぇ、ゆーやっ」
「はい」
「こっち向いてっ」
「ええ」
「だからぁ!こっち向いてってばっ」
「聞こえてますよ」

本に視線を向けたままの祐哉に杏はんもぅ!と小さく叫ぶと本を取り上げて膝に乗り上げた。
急に視界が開けたせいか祐哉は目を瞬かせる。
仕方ないとばかりに本を読むときにかけている眼鏡を外して目頭を押さえた。

「急になにをするんですか」
「くーちゃんが呼んでも全然反応してくれないんだもんっ」
「あと少し待ってくださったら読み終わるものを」

気になりますよと言われて杏はぷくぅと頬を膨らませた。
祐哉の意識が本に向いたままなのが許せないのだ。

「たまにはくーちゃんの相手、してよ」
「いつもしてるではありませんか」
「んぅ〜。今もっ」

杏にむにっと頬を引っ張られて祐哉は苦笑いするしかない。
冷静な祐哉は杏の顔を撫でるとくすりと笑った。
あっと声をあげた杏はそうだったと言わんばかりに祐哉の首に腕を回すとくふふと笑う。

「ねぇ、祐哉。熱中症ってゆっくり言ってみて?」
「は?」

早く早くと言う杏に祐哉は首をかしげる。
熱中症と言ってなにになるというのか。
第一もう熱中症を発症するシーズンでもない。

「どうしてです?」
「いいからぁっ。言ってみて!」
「はあ」

杏が意味不明なことを言い出すのはいつものことだ。
その言葉に意味があることもあればないこともある。
ないことのほうが多いのは言うまでもない。
言わないことには祐哉も判断しにくいのだ。

「熱中症」
「ちがーーーうっ。もうちょっと区切って言ってっ」
「区切ってですか?」
「そう!」

ほらほらと促されて祐哉は肩をすくめた。
目の前で杏にわくわくされては言わないわけにはいかない。

「ねっ、ちゅう、しょう。これでいいですか?」
「うんっ」

何の意味があるんです?と聞こうとしたところで祐哉は杏にチュッとキスをされてしまったのだ。
満足そうな顔をした杏を逃がすはずもなく、祐哉は杏の腰を抱き寄せて撫でた。
ああんと喘ぐ杏の首筋に顔を埋めて痕を残す。

「んんぅ〜」

気持ちよさそうに目を細めた杏は腰を揺らせて祐哉の唇にちゅちゅとキスをした。
肩に乗せていた手を首に回してもっととねだる。

「あふ、んっ」
「熱中症に何の意味があったんですか?」
「んっ。ゆっくり言うとね、ね、ちゅーしよーってなるの〜」

ああ、と声を上げると祐哉はそういうことですかと呟く。
構ってほしかっただけだと気づき、くすくすと笑う。

「素直じゃないですね」
「んぅ〜だってぇ〜」

本、読んでたしぃとごにょごにょ言う杏の唇に祐哉は口づける。
すくい上げるような口づけに杏は甘い吐息を零した。

「久しぶりに祐哉はおやすみだしぃ、二人きりだしぃ」

もっとしたいと杏の目に情欲が宿る。
訴えかけてくる視線に祐哉の体も熱くなった。
祐哉と杏のこどもたちは汐見夫妻に連れられて遊びに出ている。
人気のアニメのショーを見に行っているのだ。
こどもたちが戻ってくるまではしばらく時間がある。
それならばと杏の服の中に手を忍び込ませて素肌を撫で上げた。

「ああんっ!ゆーやっ」
「昨夜だけでは足りませんでしたか」
「たりな、いんっ」

背中を仰け反らせた杏の胸を柔らかく揉むと杏は体を震わせた。
目を潤ませて祐哉を見下ろすとチュッとキスをして祐哉の手を蜜の滴る場所へと導く。

「こっち。触ってぇ」
「そんなに急がなくていいでしょうに」
「やだぁ。も、我慢できないのぉっ」

自らの指も絡めて中へと指を埋め込むと甘い悲鳴をあげる。
こどもを四人産もうとも肉食女子は健在だ。
常に攻めの姿勢を崩さない杏に祐哉はくっと笑う。

「ああ。本当に、あなたという人は」
「ゆ、やあああっ、も、とっ!あんっ!そこ、そ、こぉっ!」
「気持ちいいところをご自分の指で擦って、いやらしい人だ」
「だっ、てぇぇっ!ぁーーーーーっ!きもち、いっ」
「くぅ。あなた一人で楽しもうだなんて思っていませんよね?」
「んっぅっ〜〜〜っ、ゆ、やっ」
「挿れてもいいですよね?」
「んっ」

杏の中に埋め込んでいた指を引き抜くと祐哉は杏の体を少し持ち上げた。
スラックスの前をくつろげると蜜の滴る場所へ自身を擦りつける。
ぬるりとした感触に祐哉の体も震えた。

「気持ちいいですね」
「ゆ、やっ!焦らし、ちゃ、ダメっ、ぁぁ、んぅ〜っ」

くすくすと笑う祐哉を杏は睨みつける。
滑るように擦りつけられる雄に杏の中はひくりと震えた。
ぬちゃぬちゃと音がするばかりでもどかしさが募る。
自ら蜜の滴る場所に指を這わせて開くと祐哉を迎え入れた。

「ああああっ!ゆーやっ!」
「くっ」
「挿って、くるぅっ」
「くぅの指が触れて、堪りません、ねっ」
「ゆ、やぁぁぁっ」

背を仰け反らせて祐哉を飲み込んだ杏は、はっはっと荒い息を吐き出す。
口をはくはくとさせて祐哉の首にしがみつく。
揺れだした腰を祐哉はぐっと掴んで押さえつけた。
そう簡単に主導権を渡すわけにはいかないのだ。
気を抜けば肉食女子に一気にもっていかれる。
ぐっと腹に力を入れると祐哉は歯を食いしばって杏を抱き締めた。

「ぁっ、ぁぁ、ぁ!う、ごい、てぇぇぇっ」
「まだ、まだですよっ」

動きたい杏は祐哉の肩に噛みついて手を離せと訴える。
じっくり杏を味わいたい祐哉と早く気持ちよくなりたい杏の攻防が繰り広げられた。
もちろん勝つのは祐哉で杏は勝てた試しがない。

「ぁぁっ!い、やっ!」
「嫌、ではないでしょう?もっと、気持ちよく、してあげます、よっ」
「うっ、はぁっ!」

焦らしに焦らされたあとの絶頂感を思い出して杏の体はぞわりと震える。
胸の奥をえぐるような快楽の波。
交じり合う祐哉と杏の魂。
白く輝く世界。

「気持ち、よく、っしてぇぇっ」

考えるまでもない。
気持ちよくなれるなら杏は祐哉の言うことを何でも受け入れる。
肉食女子が食われた瞬間だった。
祐哉に翻弄され、祐哉に言われるがままに動く杏。
杏を手のひらで転がし、祐哉はほくそ笑む。
激しい嵐に包まれた杏は体を震わせながら祐哉にくったり倒れ込んだ。
繋がった場所は蜜を零し、ひくひくとうごめいている。
祐哉は杏の背を撫でながら繋がっている場所に手を伸ばして緩く撫で上げた。
ぴくりと反応した杏の体にくすくすと笑うと軽く蕾に触れて刺激する。

「あっ!ゆーやっ!」
「まだ時間はあります。もう一度」
「ま、てぇぇっ」
「待ちません。イったあとだともっと気持ちいいですよ?」
「ぁぁーーーんっ!」
「くぅも昔に比べると随分大人しくなりましたねぇ」
「いやあああんっ」

祐哉の肩をぐっと掴んで頭を振ると杏は体を大きく震わせて仰け反った。
反らされた首筋に祐哉は噛みつくとくつくつと笑う。
『熱中症』など言わせる杏が悪いのだ。
眠っていた獣(祐哉)を起こし、官能的に誘った罪は重い。
あのまま大人しくしていればこんなことにならなかったものをと内心呟く。

「さぁ。くぅ。もっと私の上で踊ってください、ね?」

くすりと扇情的に笑う祐哉を見て杏はごくりと喉を鳴らす。
祐哉のスラックスをぐっしょりと濡らすまで貪られた杏は珍しく悲鳴をあげた。

「ゆ、やの、鬼いぃぃぃっ」
「そうですよ?知らなかったんですか?」
「ばかあああっ!でも、好きぃぃぃ!」

顔を真っ赤にさせて叫ぶ杏に祐哉は声をあげて笑う。
まだまだ祐哉に勝てそうにない杏は悔しそうにクッションに八つ当たりしたのだった。

「熱中症だなんて言わせるんじゃなかったぁ」
「いまさらですよ」
「むぅ」


思いつきで。
やっぱりくーちゃんはどこか抜けている。
くーちゃんが肉食だとほっとする(笑)

2014/11/05 投稿。


 next top


Copyright(c) 2014 yoma_ohkawa all rights reserved.