気持ちいい関係。

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   くーちゃんのホワイトデーデートの夜。


ルームキーを差し込んで中に入れば広々とした空間に、杏は荷物を放り出して走り出した。
ぼふんっとベッドに倒れ込むとぽんと体が浮く。
ほどよいスプリング具合に杏は口元をにんまりとさせた。
杏が投げ出した荷物をひとつずつ手に祐哉は室内へと足を進める。

「ふかふかだよぉ〜」
「くぅ好みですか?」
「うんっ」

杏は体を起こすと枕を抱き締めたまま、祐哉を手招きした。
荷物をテーブルの上に置くと祐哉は杏から枕を奪い取ってキスをする。
キスをしながらベッドになだれ込んだのだ。

「んんぅ」

ちゅちゅと軽いキスが繰り返され、杏はくふふと笑った。
くすぐったそうに身をよじっている杏を気にすることなく祐哉は杏の顔じゅうに唇を落としていく。

「やぁん。ゆーやぁ」
「やめましょうか?」
「だぁめぇ〜」

他人が見ていたならこのバカップルめっと言わんばかりの糖度の高さである。
いちゃいちゃ絡み合う二人は濃厚なキスをしながら熱を高めた。

「ぅぅんぅ」
「くぅ。今宵はお嬢さまと執事という設定でいいのですか?」
「いいよぉ。執事に命令されるなんてぞくぞくするっ」
「変わった趣味ですね」
「いいのっ。早く早くっ」

はいはいと祐哉は返事をして肩をすくめると肌蹴た胸元にちゅうと吸いつきながら杏の下腹部を撫でた。
ぴくりと震える体に祐哉は目を細める。

「ね。シテ?」
「口の聞き方がなっておりませんよ?お嬢さま」
「っ」

胸元に唇を当てたままちらりと祐哉は杏を見上げた。
見つめてくる視線の冷たさに杏は震える。

「さあ、お嬢さま。自分で服をお脱ぎなさい」

祐哉はベッドから降りて杏を見下ろす。
乱れた姿の杏は震える手で服を脱ぎ始めた。

「ああ。下着はそのままで」
「は、ぃ」

ボタンをはずしながら、別人だ、と杏は思った。
この演技力でどこが裏方なのか。
うそつきぃぃと内心罵る。

「ほかごとですか?」

杏のあごを指先ですくうとくいっと上を向かせて祐哉はにこりと笑った。
キッと見返してくる目はどこまでも挑戦的で服従させたい気になる。
唇が触れるぎりぎりまで顔を寄せると口角を上げてくすっと声を零した。

「いけませんね?その目」

悪い子にはお仕置きです、そう囁くと祐哉は杏の肩をぽんと押してベッドに沈み込ませた。
長い髪がシーツに広がり、祐哉の雄がどくりと震える。

「さあ。足を自分で開きなさい」

もじもじとしている杏に祐哉はできるでしょう?と不敵な笑みを浮かべた。
恥らうように開かれる足。
ショーツは濡れ、染みができている。
満足そうに濡れた場所を見つめた。
あくまで見つめるだけで触れることはない。
杏はもどかしさに身をよじる。

「ゆ、やぁ」
「はい。なんでしょう?」
「さ、わってぇっ」
「触ってほしいですか?」
「お願っ、いっ」
「では、私の目の前で、してくださいますか?」
「え?」
「ご自分でできるでしょう?」

そばにあった椅子に祐哉は腰かけると優雅に手足を組んで杏を見やった。
見つめてくる熱い視線に杏はごくりと喉を鳴らす。

「さあ。早く」
「っ」

視線だけで犯されている気分になった杏は目に涙をにじませる。
ショーツの中へ指を潜り込ませるとゆるゆると動かして声を零した。

「ぁっ、ぁ、ぁあんっ」

ぷくりと膨れた蕾を擦るように指を動かすと見られていることも相まっていつもより多く蜜が零れ落ちていることに気づいた。
くちゅくちゅと音が鳴り響いても祐哉は表情を変えることなく杏を見つめている。

「ああ。ショーツが邪魔ですね。脱いでくださいますか?」
「んっ」

杏は腰をあげてショーツを脱ぐと祐哉に見せつけるようにして足を広げた。
これでもまだ誘惑には乗ってこないのだろうか?と首をかしげる。
濡れた場所に指を滑らせてくぷりと沈み込ませるとゆっくりと抜き差しを始めた。
物足りなさに腰を揺らしながら杏は身悶える。

「ぁっ、ぁぁ、んっ、んぅっ」

ベッドの上で一人乱れる杏を見て手が何度も出そうになった。
もう少し、もう少しと祐哉は期を待つ。

「ぁっ、くぅぅ!も、ダメぇぇっ」

ブラジャーの上から胸を揉みし抱きながら果てた杏はだらしなく足を延ばしてはぁはぁと息をついている。
濡れている場所はひくひくと震えていて祐哉を誘った。
ぼんやりと天井を見上げている杏に祐哉は近づくとぎしりと音を立ててベッドに片膝をつく。

「もう。終わりですか?」

膝裏に手をあて、足を開くと柔らかく太ももを撫でて指先で付け根をくすぐった。
ぅあんっと嬌声をあげた杏は祐哉の手を取ると濡れた場所へ導いて触ってとねだったのだ。

「足り、ないのっ」
「わがままなお嬢さまですね」
「挿れ、てっ、ぁっ」

祐哉が杏のいい場所を引っ掻くと杏は仰け反って足先を丸めた。
どろどろに溶けた杏の中は祐哉の指に絡みついて離れない。
はぁと熱い吐息を祐哉と杏が零して、顔を見合わせてくすりと笑い合った。

「どうも性に合いませんね」
「そ、ぉ?」
「言葉攻めとはなかなかに難しい」
「け、っこぉ、ぞくぞく、した、よぉ、ぁぁっ」
「ああ。失礼」
「そこぉ、いぃっ」
「くぅの一番いいところでしたね」
「んぅ〜〜〜っ。もっと、触っ、てぇ」
「指で足りますか?」

杏はもうダメぇとぶんぶんと頭を振って祐哉を求めた。
祐哉にすがるように背中に手を回すとほうと息をつく。
冷酷な感じもよかったがいつもが一番いい。
杏は祐哉のジーンズのボタンをはずしてジッパーを降ろすと熱くたぎったものを取り出して扱いた。
先端を指でくすぐると祐哉が色気のある声を零す。

「うぅっ。ゆーやのばかぁっ」
「な、んで、ですかっ」
「色っぽすぎて、くーちゃん、我慢できなああいっ!」
「我慢する、必要はない、でしょ、っ」

いつも通りに戻った途端、どちらも余裕がなくなり、互いの体を擦りつけあった。
祐哉はシャツとジーンズを脱ぐと杏を抱き締めてベッドに沈み込んだ。
キスをしながら祐哉は昂ぶりを杏の蕾に押しつけて擦りあげる。
んんぅとくぐもった声を零しながら杏はうっとりとした目で祐哉を見つめた。

「ぁぁ、はぁ、気持ち、い」
「そうです、ね」
「ぬるぬるして、気持ちいぃのぉ」
「まったく、あなたの口からは、いやらしい言葉しか、出ないんですか」
「えへ、へ」

へらりと笑う杏に祐哉も苦笑しつつ、混ざり合う粘膜の音に酔いしれた。
体温が上がり、漂う香りが強くなる。
甘く香る杏の首筋に鼻を寄せると一層昂ぶりが大きくなるのがわかった。

「ゆ、や、挿れ、てぇ」

杏は手を下へと伸ばすと祐哉の昂ぶりを掴んで、ここぉと腰をあげた。
くぷりと先端が飲み込まれ、祐哉は息をつめる。
腰を押しつけてくる杏の腰を掴んで一気に貫くのではなく、じわじわと腰を進めた。

「ぁ、ぁぁ、ぁああーーーっ」

すべてを収めると祐哉は腰にぐっと力を入れて杏の体を軽く揺すった。
揺すられた衝撃で杏は体を仰け反らせる。
突き出された胸がふるりと揺れ、祐哉はちゅうと強く吸いついて舌先で転がした。

「ぁっ、ぁんっ!だ、ダメっ、イくっ、イッっちゃうのぉぉっ!ぁぁーーーっ!ぁぁんっ!」

びくんと体を震わせて果てた杏を口に尖った胸を含ませたまま祐哉はちらりと見上げる。
上下する胸に容赦なく吸いついて攻めたてた。
果てた体は敏感に反応する。

「あっ!」

杏がいやいやと頭を振ると祐哉はくつりと笑って強く腰を打ちつけた。
杏の甘い嬌声にほくそ笑む。

「ゆ、やぁ!んぅっっっ!」

胸を愛撫していた祐哉は杏の唇を覆うと杏の足を抱えて激しく律動する。
求めても求めても足りない。
何度抱こうとも満たされることはないのだ。

「くぅっ」
「ぁぁあああぁっっっ」

祐哉は杏の名前を強く叫んで、腰をぐっと強く打ちつけた。
ばちんと音がして浮き上がった杏の体を引き戻して、ぐぐぐと最奥に熱を放つ。
どくどくと脈打つ祐哉を感じて杏は体を震わせた。

「ぁぁ、ぁ、ぁぁーーー」
「っあぁ」

一滴も残さず放つために腰を数度打つと杏はああんと啼いてだめぇと小さく叫んだ。
きゅうと締まる杏の中は祐哉のすべてを搾り取ろうと吸いつき絡みつく。
温かさに包まれて祐哉ははあと息を吐き出した。

「くぅ?」
「んぅぅ〜〜〜。だぁめぇぇ〜。動いちゃいやぁぁ〜〜〜」
「感じすぎますか?」
「そぉなのぉ。さわっちゃ、だめぇぇ〜〜〜」

うるうると涙目で見上げてくる杏に我慢できるわけもなく、祐哉はすみませんと謝ると抱き締めて背中を撫でた。
ぁぁん!いやぁぁん!と叫ぶ杏は祐哉の腕の中で身悶えて果てる。
ううっと恨めしそうに祐哉を見上げると杏はばかぁと祐哉に頭突きをしたのだ。

「っ」
「ぬ、抜いてってばぁっ」
「すみません。きつくて抜けません」
「うそぉぉぉっ」
「うそではありません」
「ぁぁんっっ!も、ダメだってばぁぁぁっ」
「くぅにしては珍しい。もうギブアップですか?」
「気持ちよすぎて壊れるぅぅぅっ」
「壊れてくださってけっこうですよ」
「ぁぁーーー、んぅぅぅっ!気持ちよすぎて、つらいぃぃ」

きつくて抜けないのはうそですけどね、と内心祐哉は呟きつつ、杏とゆったりとした時間を過ごす。
ゆったりとしているのは祐哉だけで杏は余韻の波にさらわれてそれどころではないのだ。
体を重ねてから一度も抜かれていないそれ。
繋がった場所は熱く潤い、どろどろになっている。
のしかかってくる祐哉の肩に杏はここぞとばかりに噛みついた。

「頭突きの次は噛みつきですか」
「ふぁってぇ〜」

祐哉の肩口を咥えたまま杏は涙目で睨みつける。
そんな顔をすれば逆効果ですよ、と呟くと、杏はむぅと頬を膨らませてベッドに沈み込んだ。

「んもぉっ」
「たまにはいいでしょう」
「ゆーやっ。いい歳なのにっ」
「いい歳だからですよ」
「くーちゃんが負けるなんてぇぇぇーーーっ」

おぼえてろおおおおと叫んだ杏に祐哉はくすくすと笑うと目元にちゅっとキスをして仕方なく解放した。
包まれていたぬくもりがなくなるとどことなく寂しい気分になる。
ほっとした杏は祐哉に擦りつくと足を絡ませてふあっとあくびをした。

「もーだめだからねー」
「残念です」
「くーちゃん、眠いの」
「おやすみなさい。くぅ」
「ぅ、ん。おや、す、みぃ」

とろりと眠りに落ちた杏を抱き締めて祐哉も眠りにつく。
翌朝、祐哉が放ったものが固まり、後始末に困ったのは言うまでもない。

「ゆーやのばかあああ!」
「ついうっかり」
「うっかりじゃないよおおお!」
「体力にはついていけないようで」
「歳なんじゃない!!」
「それとこれとは話は別です」
「むぅぅぅっ」


相変わらず仲良しな社長さんとくーちゃんでした。
冷酷執事にさせようとしたけど、社長さん、途中でめんどくさくなったもよう。
慣れないことはするものじゃありませんねー的な。
くーちゃんもやっぱりいつもどおりなのが一番なようでした^^

2015/03/16 投稿。


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