気持ちいい関係。

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11.くーちゃん、祐哉の罠にかかる。


玄関を開ければ部屋が見渡せる。
狭い部屋だ。
迷うことはない。
ベッドまで向かうと杏を降ろしてとろりとした顔をした杏の頭を撫でた。

「さぁ。今宵も、楽しみましょうか」

祐哉はネクタイを引き抜きながら杏の上にのしかかって愛撫を始める。
笑みを浮かべたまま祐哉は杏に喋る暇も与えず唇を塞いで杏の中へ沈み込んだ。
セックスのときに口づけを交わすのも避妊をしないのも杏だけである。
今までどんなにセックス中にキスをねだられてもしたことはない。
それなのに祐哉は杏を見るとキスをせずにはいられないのだ。
本能の赴くままに杏を求め、ただひたすらに抱いて餓えを満たそうとするが餓えは満たなかった。
満たない餓えは何なのか。
貪るようにキスをしながら祐哉は杏を追い詰めていく。

「ああんっ!やぁ!そこぉ!」
「くぅはここを擦られるのが好きですね」
「んっ!す、きぃぃ!気持ちいい、のぉぉぉ」

甘い嬌声をあげる杏は快楽で体を仰け反らせて胸を祐哉に突き出した。
小ぶりの胸はさくらんぼのようで可愛い。
赤くなった胸の頂に唇を寄せるとちゅうと吸いついて舌先で転がす。

「あーーーーっ!もっとぉ!ちゅしてええええ」

もっとと祐哉に胸を押しつけてくる杏の体をかき抱くと胸を思いきり吸い上げた。
きゅっと締まる下腹部に祐哉はうっと呻く。
油断したところで杏が祐哉を持っていってしまったのだ。
どくどくと杏の中を満たしながら祐哉は苦笑いする。
はぁはぁと息をする杏を上に乗せると杏は気持ちよさそうに腰を振り始めた。
杏は上に乗るのが好みで組み敷かれるのはあまり好きではない。
自分の好きにできない体位は好みではないのだ。
だが祐哉によって開発され続けている体はどんな体位でもイってしまう。

「ああ!あん!」
「くっ」
「もっとぉぉ!くぅの、中っ!いっぱい、に、してぇぇぇ!」

ぐちゅんぐちゅんと音を鳴らせて艶かしく腰を振る杏はもっともっとと祐哉に腰を押しつけた。
杏は腰を掴んでいた祐哉の手を胸に導くと揉んでっと声をあげる。
形が変わるくらい胸を揉みしだくと杏の体が快楽で仰け反った。

「ぁぁーーーーっ!ぁぁっ!イっくぅぅぅ!」
「くぅ!」
「ぁぁぁーーーーー!」

下腹部を震わせて背中を反らせると杏はぶるりと全身を震わせて達した。
どくりと吐き出される熱にうっとりとした顔を浮かべる。
祐哉の上に倒れ込むと杏の中から祐哉がずるりと出て行く。
どろりとしたものも一緒に吐き出され祐哉と杏の足の間を汚した。

「ぁんぅ」
「悪い子ですね。私のものを零すとは」
「だってぇぇ」
「ほら。もう一度入れなさい」
「んぅ」

甘えたように杏は言うと萎えた祐哉のものを掴んで扱く。
硬く膨らみ始めたそれにちゅっと口づけると中へと収めた。
みるみるうちに膨らんでいく祐哉を感じて杏はああんと喘ぐ。
ぎちぎちと杏の中を押し広げていく祐哉に堪えきれずくちゅんと腰をひと振りする。

「我慢できませんか」
「むりぃっ」
「仕方がありませんね。思う存分食べなさい」

甘えるように祐哉の上で腰を振るう杏に笑みを浮かべて胸を揉みしだく。
何度も何度も腰を振って善がる杏を見ている人物が祐哉以外にもう一人。
祐哉はわざと杏の家の玄関のドアにメモを挟んでおいたのだ。
杏が祐哉以外の男と会うということはわかっていた。
指を咥えて黙って見ている祐哉ではない。
待ち合わせに現れなかった杏の様子を見にマンションへ来るか来ないかは相手次第。
きっと来る、そう確信していた祐哉は、無用心ではあるが玄関の鍵を開けたままことに及んだ。
祐哉の予想したとおり、男は罠にかかった。
息を潜めている彼の気配に祐哉はくくっと喉の奥で笑う。
乱れ狂う杏を見て何を思うのか。

「ぁっ!ぁっっ!あんっ」
「くぅ。気持ちいいですか?」
「んっ!いいっ!もっとぉ!くぅの中っ!いっぱいにしてぇ!!」

長い髪を揺らしながら杏は止まることなく腰を振るう。
きゅうっと強く祐哉を締めつけるとぽすんと祐哉に向かって倒れ込んできた。
祐哉の胸に顔を埋めてはぁと息をつくと顔をあげてキスをねだる。
祐哉が体を起こしながら杏にキスをするとぐちゅっと音が響いてとろりたしたものがまた溢れだす。

「ぁぁんっ!」
「まだ欲しいですか?くぅ」
「んんぅ、もっとぉぉっ」

杏の首筋に顔を埋めて噛みつくと視線の感じるほうへと目を向けた。
もうこれ以上は見せない。
これは私のもの。
手を出すことは許さない。
逸らされる視線に祐哉はほくそ笑む。
祐哉は杏を押し倒して玄関に背中を向けると杏の耳に甘く囁く。

「くぅ?」
「んっ」
「愛していますよ」
「え?」
「くぅだけを愛してる」
「ぁぁぁ!」

自然と口をついた『愛してる』の言葉。
しっくりと馴染んだ言葉に祐哉はくすりと笑う。
杏は祐哉の中で『特別』なのだ。
この少々お転婆で破天荒な杏を愛しているのだと気づく。
最初は体だけの関係ではあったが、地位や金に目を眩ませず、ありのままの祐哉を見ていた杏に興味を持った。
そんな杏は祐哉を本当に一夜限りの男として見ていたのだ。
ぎりりっと痛む胸。
逃げる杏を追いかけるのは心の底から楽しかった。
きっかけは些細なことであったが、祐哉の心を杏は奪っていったのだ。
それに杏が生で中出しさせているのは祐哉だけである。
生理不順のために薬を飲んでいるのは事実だが、生ではしないと杏が口を滑らせたのはついこの間のことだ。
自分だけが『特別』だと思うと優越感に浸れた。
例えほかの男に抱かれていようと許せるような気がしたのだが、それはそれ、これはこれである。
淡泊で冷淡だった自身が独占的で情熱に溢れる男だったとは思わずくくっと笑う。
不思議そうな顔をした杏の目元に口づけるともっと奥へと腰を打ちつけ、杏を啼かせた。
乱れに乱れた杏の白い肌に無数の紅い花びらがくっきりと浮かび上がっている。
おびただしい数の痕に祐哉は笑みを浮かべた。
背後ではぱたんという音がかすかに聞こえ、ふっと笑う。

「邪魔者もいなくなりましたし、思う存分可愛がってあげますよ」


社長さん、真っ黒。アウトです。
ことの最中に襲われたらどうするんだろうというつっこみはなしで。
その辺はメモにいろいろ書いてあったはず。
社長さん抜かりないから。
見てもいいけど手を出したらわかってますよね?的な。
くーちゃんは快楽に弱すぎですね。
ちなみに玄関は戸締りしましょう。
一昔前にマンション玄関がオートロックで家の玄関に鍵をかけるのを忘れたという芸能人の話があって思いついたり。
マンションの入り口がオートロックでも玄関締めなきゃ泥棒さんくるよね。うん。

2014/05/14 投稿。


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