気持ちいい関係。

  top


36.デートの約束。


くったりとベッドに体を投げ出すと杏はまだ足りない、と呟く。
それを聞いて祐哉はくつくつと笑ったのだ。

「貪欲ですねぇ」
「ゆーやのせーだもん。激しくされないと満たされないんだもん」
「それはそれは」

杏は祐哉の体の上に乗って目を閉じていた。
悪戯な指先は祐哉の胸元でくるくると円を描いている。

「今度の休みはデートでもしましょうか」

祐哉の言葉に杏がパチっと目を開くと胸に手をついて顔を起こして祐哉の顔を覗き込んだ。
穏やかな顔をしている祐哉はくすくすと笑っている。

「でーと」
「ええ。デートです」
「ごはん食べて、えっち?」
「は?」
「デートってごはん食べてエッチするんだよね」

真剣な顔をして言う杏にどうつっこめばいいのか祐哉も測り兼ねる。
杏の中ではデート=ごはんしてエッチなのだ。
杏らしいといえば杏らしいのだが祐哉の中にどす黒いものが湧き上がってくる。

普通・・・のデートしたことないんですか?」
「ふつーのデートってなに?」
「映画見たり、買い物したり、でしょうか」
「そんなのはるかとするもん」

女友達と出来ることは男とするものではないと杏は思っているのだろうか。
どこかずれている杏に祐哉は声を上げて笑う。
笑われたことに杏はむぅと頬を膨らませた。

「ああ。失礼」
「笑われた」

ぷいっと顔を逸らせる杏の頭を祐哉はゆったりと撫でた。
手を振り払われることもなく、逃げられることもないということは怒っていない証拠だ。
可愛らしく拗ねている杏に祐哉は愛おしい目で見つめる。

「はるか先生とするようなことを私と一緒にしましょう」
「そんなことでいいの?」
「ええ。そんなこともデートになります」
「ふぅん」
「楽しみましょうね」
「うん。そんなの、したこと、ない、から」

顔を赤らめて俯く杏は祐哉の体の上にぽすりと落ちる。
首筋に顔を埋めて、うーうーと唸っているのだ。
そんな杏を横目に、祐哉はゆったりと杏の背中を撫でる。

「初デートですね」
「う、うん」

くぐもった声で返事をする杏の耳は真っ赤に染まっている。
耳元に唇を寄せてちゅっとキスをすると杏の体がびくんと震えた。

「くぅの初デートは私にください」
「う、うん。い、いーよぉ」

あげるーと言った杏は視線を泳がせている。
可愛らしい反応に祐哉はどす黒いものを押さえ込むと口元に笑みを浮かべて杏の頬を撫でた。

「くぅの知らないこと。私が教えてあげます」
「う、うん」
「もちろん、デートの締めはラブホテルです」
「え?」

きょとんとした杏は体を起こすとまじまじと祐哉を見つめた。
最初のころは祐哉とセックスをするのはシティホテルが多かったのだが、ラブホテルという言葉が出てくるとは思わなかったのだ。

「たまにはいいでしょう?後片付けのことを考えず抱き合うというのも」
「そ、だけど」
「恋人同士なんですから、ラブホテルくらい行ってもいいでしょう」
「う、うん」
「たくさんおもちゃ、試しましょうね?」
「おもちゃ!」

しどろもどろにしていた杏は『おもちゃ』という言葉に目を輝かせる。
あまり頻繁に使うと杏も嫌がるのだがたまに使うと喜んで体を差し出してくるのだ。

「楽しみっ」

現金な杏はうきうきとして祐哉に飛びつくとちゅーとキスをした。
もっかいと祐哉に囁くと祐哉のものに触れて手で扱き始める。

「でーとしてくれるから、今日のことは許してあげる」
「ありがとうございます」
「いっぱい気持ちよくして」
「わかってますよ。足腰立たなくなるくらい愛してあげます」

杏は立ち上がった祐哉を中に収めるとああんと声をあげて快楽に酔いしれた。


案外くーちゃんは普通のデートをしたことがありません。
エッチ優先なので男の人とのデートはエッチをすることだと思っている模様。
それも間違いではありませんけどね。

2014/05/25 投稿。


  top


Copyright(c) 2014 yoma_ohkawa all rights reserved.