気持ちいい関係。

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48.くーちゃん、はるかとまったりする。


大晦日の夜から元旦の朝にかけてセックス納めと始めをした祐哉と杏の年末年始は慌しく過ぎていく。
元旦の朝方まで身を寄せ合ってまどろむと名残惜しくベッドから起き上がる。

「ゆーやが仕事に行ってる間、はるかんとこ行ってくるねー」
「わかりました。仕事が終わったら迎えに行きますよ」
「うん。待ってるー」

珍しく杏が祐哉を見送る。
いつもとは逆で杏はわくわくとして祐哉のあとをついていく。
ちゅーとキスをするといってらっしゃいと手を振ったのだ。
なんだか新妻みたい!と騒ぐと祐哉が仕事に行きたくなくなりますとため息をついた。
祐哉を見送ったあと杏はゆっくりとジャグジーで体を休めてからはるかの家へと向かう。
佳も祐哉とともに仕事で不在だ。

「あっけおめーーー!」
「おめでとう。くーちゃん」
「今年もよろしくねー!」
「こちらこそ」
「御節ー!」
「はいはい」

お年玉と言って杏がはるかに某果物屋の杏仁豆腐を差し入れするとリビングのソファを占拠してはるかお手製の御節を頬張った。
黒塗りと赤塗りの重箱があり黒塗りは佳のために置いているのだ。

「なんだか、はるかのくーちゃんへの愛が薄れたような気がする」
「気のせいよ」

行儀悪く箸を咥えたままもごもごと喋る杏の眉間にはしわが寄っている。
毎年のごとくはるかお手製の御節は美味しい。
だがしかし、微妙に見栄えのいいものが佳用の重箱に詰まっていて納得がいかないのだ。

「そんなことあるわけないでしょう?お客様に出すのに」
「金箔もカレシさまのほうが多いような気がするっ」
「同じだってば」

ぶうぶうと文句を言う杏にはるかはため息をつく。
仕方がないとばかりに立ち上がると冷蔵庫から杏の大好物を取り出した。

「はい。くーちゃん、どうぞ」
「はるかああああ!」

はるかがトレイに乗せて持ってきたものを見て杏は目を輝かせてはるかに飛びついた。
トレイに乗っているもの、それは、シャンパンゼリーである。
赤ワインに寒天を加えて星型の製氷器で固めて型抜きしたものをゼラチンで固めたシャンパンに散らしたデザートだ。
ゼリーの上にははるか特製のストロベリーソースと生クリームがかかっている。
見た目にも華やかで正月メニューにはもってこいだ。
赤ワインをグレープジュースに、シャンパンをアップルジュースに置き換えるとこどもでも楽しめるデザートになる。

「はいはい。くーちゃん。離れて離れて」
「はぁいー」
「食べるでしょ?」
「食べるっ!」

ゼリーをスプーンですくって食べると杏はああんと声をあげる。
あまりの美味しさに頬に手をあててうっとりとしているのだ。

「んんぅ〜〜〜。おいちぃぃぃ〜〜〜」
「はいはい」

おざなりにはるかが応えても杏は幸せの中を漂っている。
シャンパングラス一杯分をぺろりと平らげると杏はスプーンを咥えて寂しそうにグラスを眺めた。

「太るわよ」
「はるか。それ禁句だから!」

食べて寝ての繰り返しで杏の腹部も大分まずいことになっている。
とはいえ、美味しいものを目の前にして我慢できるはずもなくぱくぱくと次から次へと食べ物を口に入れているのだ。

「お正月終わったら!」
「それ、毎年言ってるでしょ」
「言わない約束だよーーーっ」

むっとした杏が呆れた顔をしたはるかを睨むと顔を見合わせてぷっと笑う。
何がおかしいわけでもない。
きままな女同士の会話が楽しいのだ。

「今日はのんびり羽を伸ばしましょう。夜まではきっと自由だし」
「生放送だからきっちり終わるのがヤダよねぇ〜」
「本当。収録ならよかったのに」
「「ねー」」

また顔を見合わせると笑い合って杏とはるかはまったりと落ち着いた元旦を過ごしたのだった。


メンドくさいカレシを持つくーちゃんとはるかの話は息抜きです。

2014/05/29 投稿。


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