気持ちいい関係。

  top


53.バレンタインナイト。*1*


食事の後片付けを済ませるとリビングのソファで祐哉と杏はくつろぐ。
祐哉に寄り添って杏がちゅちゅとキスをすると待っててと囁いていそいそとキッチンに向かった。
生まれて初めて作ったチョコレートボンボンが収まった箱を手にするとどきどきと心臓を高鳴らせる。
見栄えがいいとは言えないそれを祐哉に手渡すと杏は恥ずかしさからかうーっと唸った。

「味はおいしーのっ。み、見た目は悪いけどっ」

ごにょごにょと言い訳をして祐哉の横に座ると箱を見つめている祐哉の横顔をじーっと見つめた。
箱を開けた瞬間、祐哉の口元に笑みが浮かぶ。

「くぅが作ったのですか?」
「うん」

怒られたわけでも呆れられたわけでもないのにしゅんと杏は落ち込む。
こんなことならもっと真面目に料理しておけばよかったと思うぐらいだ。
祐哉が一粒チョコレートを摘むと口の中に入れる。
失敗作をいやというほど食べた杏は味は大丈夫、味は大丈夫と心の中で呟く。

「ウイスキーですか」
「そうなの。ボンボンにしてみたんだけど」
「美味しいですよ。ナッツの歯ごたえもいいですし」
「ほ、本当!?」
「ええ。見た目は本当にあれですけど」
「うっ。そ、それは言わないでっ」
「私の朝の誘いを全力で拒否しただけのことはあります」
「い、意地悪っ」

蹴飛ばしたことを祐哉は根に持っていたようだ。
くすっと笑った祐哉を見て杏のほっと胸を撫で下ろす。
もうひと口チョコレートを口にすると祐哉は杏の口元にチョコレートを持っていく。
ぱくっと食べるとじわりと染み渡るウイスキーの香りに表情を緩めた。

「くぅの愛情たっぷりで胸がいっぱいです」
「よ、よかったぁ」

ぎゅうと腕に抱きついてくる杏を膝の上に乗せると祐哉はチョコレートを口の中に入れて杏にキスをする。
薄く開いた口に舌を差し入れるとチョコレートを杏の口の中に転がした。
転がし合いながらキスを堪能すると鼻に抜けるウイスキーの香りに祐哉も杏も酔いそうになる。
気分が高まったところでこの香りは危険だ。
まるで媚薬だ、そう思いながら祐哉は杏の舌に吸いつく。

「んん」

体を擦り合わせるように抱き合うと服一枚さえ邪魔になる。
祐哉は杏を抱き上げて寝室に向かうとベッドになだれ込んだ。
キスをしながら体をまさぐるように服を脱がせると杏の体は薄紅色に染まっていた。
潤んだ目と甘い吐息が祐哉を刺激する。

「ゆーやも、脱いで」

首筋に触れてくる杏の指先が熱く、祐哉の体がぶるりと震えた。
ぞくりと背に走る感覚。
祐哉も服を脱ぎ捨てると杏の体を抱き締めて体を擦りつけた。


くーちゃんの見た目ぶちゃいくな手作りチョコはしゃちょーさんには好評でした。
また作ってくださいねと後日おねだりされるとかなんとか。
今度は焼酎ボンボンが食べたいそうです。

2014/05/30 投稿。


  top


Copyright(c) 2014 yoma_ohkawa all rights reserved.