気持ちいい関係。

  top


56.くーちゃんと祐哉のホワイトデーディナー。


出来上がった変わり種の菓子を持って家に帰ると杏がソファに寝転がって眠っていた。
今日は午前中まで仕事をして午後から休みだったのだ。
午後から休みのときは大抵杏と出かけるか寝室に篭るかのどちらかだが今日はホワイトデーのお返しを作るためにはるかのところへ行っていたのである。
杏を起こさないように冷蔵庫に箱を片づけると祐哉は食事の準備を始めた。
手の込んだものを作ろうと考えていたが凝ったものよりも手軽に作れる料理を杏は好んだ。
特におこさまメニューは大好物である。
手際よく作業をしているとバターの香りで目を覚ました杏がうあーとソファの上で伸びをしていた。

「おかえりー」
「ただいま。くぅ」
「起こしてくれたらよかったのに」
「気持ちよさそうに眠ってましたからね」
「んもぅ」

ぷくーと頬を膨らますと杏はソファから立ち上がって軽快に走ってキッチンに入る。
祐哉にぴとりと抱きつくとちゅーとキスをねだったのだ。
軽くキスを返すと祐哉はフライパンに視線を戻す。

「もうすぐで夕食ができますよ。シャワーでも軽く浴びてきたらいかがです?」
「うー。そーするー」

名残惜しそうな杏にもう一度キスをすると祐哉は杏の耳元で囁く。
ぎゅっと祐哉の袖を掴んだ杏は耳を押さえて走り出した。

「ゆーやのえっちっ!」

慌ただしくキッチンを出て行く杏に祐哉はくすくすと笑う。
食事のあとはくぅを食べさせてくださいねといつものように言っただけなのだ。
もちろんとびっきりの甘さを込めて囁いた。

「くぅは可愛いですね。本当に」

これだからやめられない、祐哉そう思いながらフライパンを振るった。
三十分するとさっぱりした杏が戻って来て食事となる。
ブロッコリーとカリフラワー、にんじんの温野菜とコンソメスープ、メインのオムバターライスホワイトソースかけが食卓に並ぶ。
目をキラキラとさせた杏は今にもよだれを流しそうな勢いだ。

「どうぞ召し上がってください」
「いただきまあああああすっ!」

もぐもぐとメインのオムバターライスを頬張っている杏の口元には笑みが浮かんでいる。
んぅぅ〜〜〜、おいちぃぃぃ〜〜〜とこどものようにはしゃぐ杏に祐哉は苦笑した。
イタリアンやフレンチを食べても美味しいとは言うがここまではしゃいだりはしない。
自宅であるからこそ杏は無防備な姿を祐哉にさらけ出しているのだ。

「幸せだなぁ」
「はい?」
「お料理が得意な祐哉(カレシ)と一緒にいられて幸せなの〜」

うっとりとした顔をして杏は祐哉を見つめた。
くすくすと笑いながら祐哉は杏の口元に手を伸ばしてついているホワイトソースを拭った。
拭ったホワイトソースを杏の口に持っていくとぺろぺろと舐めている。

「料理だけですか?」

意地悪そうに口元に笑みを浮かべている祐哉の顔を見て杏は咥えていた指を軽く甘噛みする。
じとりと睨むと頬を膨らませた。

「ゆーやの意地悪」
「意地悪ではありません。私と一緒にいることの利点は料理だけですか?」
「んもぅ!」
「言ってくれないとわかりません」
「やっぱりゆーやは意地悪っ」

指先にちゅっとキスをすると祐哉は首を振る。
それでは満足しない祐哉に杏はテーブルに手をついて身を乗り出した。
ちゅーと唇を突き出す杏に祐哉も身を乗り出してキスをする。
啄むようにちゅちゅとキスを繰り返す。

「お料理だけじゃないよ。えっちも。ゆーやとえっちするのも大好き」

満足そうな顔をして祐哉は杏の目元に唇を落とすと頭を撫でて席についた。
続きはあとでと囁くことも忘れない。

「さて。食事のあとはデザートにしましょう」


料理できる男性ってポイント高いですよね。
予定なんですが。
月曜日には完結できそうです。
はい。

2014/05/31 投稿。


  top


Copyright(c) 2014 yoma_ohkawa all rights reserved.