気持ちいい関係。

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   閑話.くーちゃんとしゃちょーさんの非日常。*3*


回復した杏がうつ伏せになって頬杖をついて足をぱたぱたとさせていると祐哉はくつくつと笑った。
枕に肘をついて祐哉も頬杖をついているのだ。

「ところで、この服、どうしたのー?」

首をかしげて杏が祐哉を見やる。
いつも持って帰る大人のおもちゃは貰い物が多いがこの衣装は貰い物で済むようなものではない。
祐哉の白濁と杏の蜜でぐちゃぐちゃになって着物を指差して杏は首をかしげる。
クリーニングに出しても綺麗になる可能性はないだろう。

「くぅに着せてみたくて作りました」
「え?」
「汚してしまったので使い物になりませんね」
「つく、ったの?」
「ええ。このくらい安いものです」

にっこりと笑った祐哉は杏を抱き寄せると額に唇を寄せて目を閉じた。
目に焼きつけた杏の姿。
緋色の着物が宙に舞い、杏の妖艶さを引き立ててくれたのだ。
艶かしい姿を思い出しただけで杏の体を暴きたくなる。
ああ、と呟くと杏が、ん?と首をかしげた。

「写真に撮っておけばよかったですね」
「撮られなくてよかったって言うべきー?」
「次は撮らせてくださいね」
「やだー!」

むーと頬を膨らませる杏に祐哉はくすりと笑う。
杏には内緒にしてあるが祐哉のスマホには杏の寝顔を何枚も隠し撮りしてあるのだ。
スマホのシークレットフォルダには杏の写真が数え切れないくらい収まっている。
杏が知れば全て消去されそうな勢いだ。

「じゃあー。私もゆーやの写真撮りたい。撮らせてくれたら私も撮らせてあげるー」
「お安い御用ですよ。いくらでもどうぞ」

つまんなーいと呟くと杏がくるりと祐哉に背中を向けて丸まった。
ふあああとあくびをしている杏はあっという間に眠りに落ちるだろう。
杏の背中に寄り添うと祐哉は長い手足を杏に絡ませて懐深くに抱き込んだ。

「んんぅ」

邪魔しないでぇと杏の目が祐哉を見上げて訴えた。
苦笑いをしてちゅっと軽くキスをすると燃え上がりそうな欲望を押さえ込む。
互いに明日も仕事だ。
もう一度は翌日に支障をきたす。
杏の頭に顔を埋めると祐哉も目を閉じた。

「おやすみ。くぅ」
「んん。ゆーやぁ、だ、いす、き」

へらっと笑った杏は祐哉の胸に背中を預けるとすーと眠りについた。
頭を撫でながら祐哉も眠りにつく。
同じ夢が見れるようにと杏の頭に額を寄せた。





*おまけ*

「ゆーや。これ、どーしよ」
「捨ててかまいませんよ」
「もったいなーい」
「私の精液がこびりついてますしね」
「落ないかなぁ?」
「落ちるとは思いますが生地は痛むでしょうね」
「落とすだけ落としてあとは汐見さんにお願いしよ」
「それがいいかもしれませんね」

汚れを落とした着物を見た汐見がムンクの叫び状態になる。
誰の目から見てもこの着物は高級品だった。
水で一度洗ってるからー!と杏のメモ書きを見て汐見が悲鳴をあげたのだ。

「杏さん。もったいないことをっ!帰ってきたらお説教ですよっ」

ぷんすかと怒りに燃え上がった汐見は出来る限りのことをして着物を再現させた。
仕事から帰ってきた杏を捕まえた汐見は眉間にしわを寄せている。
散々説教をされた杏はなんでぇ〜と目に涙を浮かべた。
水洗いでいいのにぃとまったく価値の分かっていない杏は能天気だ。

「杏さん。お着物は大事にしないといけません!こんなにシワだらけにして!しかも水洗いだなんてとんでもない!」
「んぅぅ〜。私のせいじゃないもーんっ」
「杏さんも女性ならお着物を着るときの心得を学んでくださいっ」
「えええええええー。メンドく ― 「面倒ではありませんっ」
「はぁぁい」

こってり絞られた杏はその日の夜、祐哉に八つ当たりをして満足するまで祐哉を貪ったのだ。
八つ当たりされても祐哉は美味しいだけである。

「着物はやめましょう。次はメイドさんにでもなりますか?」
「メイド!」
「看護師という手もありますね」
「ナースさんプレイ!」
「いいですね」
「ゆーや、白衣!」
「私は結構です」
「ダメ!ゆーやもっ!」

意気揚々とした杏がスマホでコスプレを検索したのは言うまでもない。


猫にしたら、花魁も見たいというリクエストがあって執筆したものでした。


初出:2014/5/30

2014/06/30 投稿。


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